大阪市が0〜2歳の保育料を無償に 在宅育児には年10万円のクーポン
令和8年9月から、大阪市の0〜2歳児の保育料が第1子まで無償になりました。所得制限はありません。企業主導型保育事業も対象です。あわせて、保育施設を使っていない家庭には年10万円相当の電子クーポンが11月下旬以降に配られます。予算は3つ合わせて約115億円。
対象は大阪市です。 他の市区町村にお住まいの方には直接は関係しませんが、国がやっていない部分を市が独自に埋めた例なので、最後に自分の自治体を調べる方法を置いておきます。
今月から、大阪市の0〜2歳児の保育料が無償になりました。
令和8年9月から、0~2歳児の第1子の認可保育所等の保育料(企業主導型保育事業含む)を無償化します。
所得制限はありません。
国の無償化は3〜5歳だけです
前提を先に書きます。国の幼児教育・保育の無償化は3〜5歳が対象で、0〜2歳は住民税非課税世帯に限られています。大阪市の説明にもこうあります。
0~2歳児の保育については、所得制限などにより一部のこどものみの無償化となっています
大阪市はもともと
国に先駆けて3~5歳児の幼児教育・保育無償化を進めてきました
という経緯があり、今回はその続きにあたります。
第2子からやって、2年かけて第1子まで届きました
いきなり全員が無償になったわけではありません。
| 内容 | |
|---|---|
| 令和6年9月 | 多子軽減の所得制限を撤廃し、第2子の保育料を無償化 |
| 令和8年9月 | 第1子まで拡大。これで全員が無償に |
対象は
認可保育施設の0~2歳児クラスに在籍しているすべての子ども
です。保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育、事業所内保育が入ります。児童発達支援の利用者負担額も、同じ順序で第1子まで無償になりました。
認可外のうち、企業主導型だけが入りました
ここは読み違えやすいところです。
認可保育所等に準じた保育が提供されている企業主導型保育事業を利用する子育て世帯についても、令和8年9月から、国基準額を上限に、保育認定を受けた児童の保育料を無償化します。
企業主導型保育事業は認可外保育施設の一種です。それが対象に入った理由として、大阪市は「認可保育所等に準じた保育が提供されている」ことを挙げています。
一方で、同じ認可外でも、
企業主導型保育事業以外の認可外保育施設については、今回の無償化の対象外ですが
とされています。認可外の中で線が引かれたということになります。
認可外の記事で書いたとおり、認可外保育施設はひとまとまりではありません。企業主導型は国の基準や指導監督の枠組みが別で、大阪市の説明もそこを根拠にしています。無償化の話でも、その区別がそのまま出ています。
予算は3つ合わせて約115億円
金額が公表されています。
| 令和8年度予算額 | |
|---|---|
| 認可保育施設の第1子無償化 | 75億2,500万円(拡充) |
| 企業主導型保育事業の無償化 | 12億3,500万円(新規) |
| 子育てサポートアプリ・クーポン | 27億1,200万円 |
合わせて約115億円です。市の単独事業なので、この額を市が自分で出しています。
自宅保育の家庭には、年10万円のクーポン
保育料の無償化だけだと、園を使っている家庭にしか届きません。そこがこの施策の設計で考えられている部分です。
0~2歳児の半数以上は在宅等で子育てを行っていますので、あわせて在宅での育児に対する支援も実施していきます
資料の言う「在宅等」は、園に預けずに自宅で見ている家庭のことです。0〜2歳の半数以上がそちらだという前提が先にあって、両方に配る形になっています。
配られるのは電子クーポンです。
児童1人あたり10万円相当ポイント/年
ただし初年度は半分で、
※令和8年度は5万円相当ポイント/年
配付は
令和8年11月下旬以降に配付します
対象は
保育施設等を利用していない大阪市にお住いの0~2歳児
です。園に通っていれば保育料が無償になり、通っていなければクーポンが出る。どちらかには当たる作りになっています。
クーポンの使い道が、保育の側に開いています
現場の人が見ておいたほうがいいのはここだと思います。クーポンで使えるものに、こういうものが並んでいます。
- 産後ケア事業
- 子育て応援ヘルパー
- こども誰でも通園制度
- 一時預かり
- 病児・病後児保育事業
- 子どものショートステイ
さらにカタログギフトでは、
おむつやミルクなどの育児用品、衣服、玩具、衛生用品、自転車用ヘルメットなどの安全対策用品、認可外保育施設(民間のベビーシッター等)など
が対象です。
在宅育児への現金給付ではなく、保育サービスを買える形にしてあります。 こども誰でも通園制度や一時預かりの利用が増える可能性があるということです。認可外やベビーシッターもカタログに入っています。
大阪市は受け皿のほうも広げています。こども誰でも通園制度は令和8年度予算5億5,900万円で、
民間、公立保育所等あわせて2,198人分の利用枠を確保します。(令和7年度:利用枠確保実績932人分)
枠を2倍以上にしています。 クーポンで買えるようにして、同時に受け皿も増やす、という組み方です。
では、認可外に預けている0〜2歳はどうなるか
ここが今回いちばん確かめたかったところです。企業主導型以外の認可外に0〜2歳を預けている場合、大阪市の制度は2つとも外れます。
- 今回の第1子無償化 … 対象外
- 大阪市の認可外向けの独自制度 … 3〜5歳のみ。要件に「対象児童が3歳児から5歳児であること」と書かれています
残るのは国の制度だけです。
住民税非課税世帯の0歳児から2歳児(月額上限42,000円。令和8年10月利用分から月額上限45,700円。)
住民税課税世帯だと、ここからも外れます。 しかも国制度は保育の必要性の認定が要り、支払い方も
無償となる保育料・利用料については、償還払いとなりますので、認可外保育施設等を利用する際は保育料等を一旦支払っていただく必要があります
という形です。認可に入れていれば全額無償、同じ0歳で認可外なら全額自己負担という差が、今月から開いたことになります。
一方、クーポンのほうは違う読み方になります。対象から外れるのは
(注)保育施設等の利用者や市外転出された方等は対象外
で、その「保育施設等」は
(注)保育施設等とは、認可保育所、認定こども園、地域型保育事業、幼稚園(満3歳児)、企業主導型保育事業、児童発達支援施設等
と定義されています。企業主導型は名指しで入っているのに、それ以外の認可外は入っていません。 同じ定義が市の案内ページにも出ています。文言どおりなら、一般の認可外に預けている家庭はクーポンの対象になります。
ただし末尾が「等」なので、最終的な運用は公開資料からは読み取れません。該当する方は市に確認してください(こども青少年局企画課 06-6208-8346)。
認可外の記事に書いたとおり、認可の園が開いていない時間に働いている人にとっては、認可外しか選択肢がないことがあります。その人たちは、保育料の無償化からは外れます。
現場には何が来るか
無償になれば、申し込みは増える方向に働きます。大阪市は待機児童対策を進めてきましたが、希望する施設に入れない利用保留児童への対応は続いている課題です。
保育料が理由で預けられなかった家庭が預けられるようになる。それがこの施策の目的で、筋は通っています。
ただ、受け皿と人手が足りなければ、その負担は現場に来ます。 お金の手当てと、人の手当ては別の問題です。大阪市の予算115億円は保育料とクーポンのためのもので、保育士を増やすためのものではありません。
大阪市で働いている方は、来年度の申し込み状況を園長に聞いておくと、自分のクラスがどうなりそうか早めに見当がつきます。
自分の自治体を調べるには
大阪市以外の方へ。0〜2歳の保育料をどこまで独自に軽減しているかは、市区町村によってかなり違います。
- 「◯◯市 保育料 無償化 0歳」で検索すると、市のページが出てきます。国の制度(3〜5歳)の説明だけなら、独自の上乗せはありません
- 在宅育児への支援は別枠です。市川市は在宅育児に月1万5000円を出しています。大阪市のようにクーポンの形をとる自治体もあります
- どちらも市の単独事業なので、国の資料を見ても載っていません。市のサイトを直接見るのが早いです
保護者に「他の市はもっと出ているらしい」と言われることがあるかもしれません。実際、かなり違います。 自分の市が何をやっているかを知っておくと、その場で答えられます。
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