358項目の振り返りシート 足立区が配っているものを読みました
足立区が「教育・保育の質ガイドライン」を作っていて、その別冊として358項目の振り返りシートを全施設の職員に配っています。自己評価の様式まで公開されていて、項目がかなり具体的でした。自分の園の自己評価と比べる材料として読めます。
自己評価、書いていますか。
年に1回か2回、様式が回ってきて、書いて出す。あれです。何のためにやっているのか分からないまま書いているという話は、わりとよく聞きます。
足立区が「教育・保育の質ガイドライン」というものを作っていて、その別冊が公開されています。保育実践振り返りシート、68ページ。 自己評価の様式まで別PDFで出ています。
読んでみたら、項目がかなり具体的でした。自分の園の自己評価と比べる材料になると思うので、中身を紹介します。
対象は足立区ですが、他区・他市の方も「うちの様式はこれと比べてどうか」という読み方ができます。
358項目あります
まず規模です。シートの冒頭にこうあります。
足立区教育・保育の質ガイドラインの358項目のチェックボックス(確認項目)を抜き出し、保育実践振り返りシートとして別冊にしました
ガイドライン本体の確認項目を、そのまま抜き出して冊子にしたものです。目次は0歳児・1歳児・2歳児・3歳児・4歳児・5歳児と年齢別に分かれていて、ほかに子どもの権利、保育者の資質、施設の運営体制などが並びます。
評価は4段階です。
A…理解して十分に取り組んでいる B…概ね取り組んでいる C…理解が不足し十分に取り組んでいない D…取り組めていない
「取り組めていない」という選択肢があるのが、まずいいと思いました。自己評価の様式には、正直に書きにくい作りのものもあります。
項目が具体的です
いくつか引きます。まず子どもとの関わりから。
子どもに対して尊重の気持ちを表している(子どもを公平に扱う・差別をしない・話を真摯に聞く・子どもの望みを理解し叶えようとする・大きな声で呼んだり必要のない言葉をかけたりしない・子どもが目線、表情、言葉で訴えている時に的確に対応している等)
括弧の中が長いのですが、ここが要点だと思います。「子どもを尊重する」だけだと何をすればいいか分かりませんが、「大きな声で呼ばない」まで書いてあると、自分の今日を思い出せます。
もう1つ。
保育者の言動は子どもに大きな影響を与えることを常に意識している
保護者との関わりのところには、こういう項目がありました。
園内の廊下・園庭・テラス・窓等が開放された保育室や休憩室・バス・電車等の公共機関、飲食店等で個人が特定できる話をしていない
帰りの電車の中まで書いてあります。 個人情報保護と言われるとピンときませんが、これなら具体的です。
多様な家庭に対して偏見や差別意識を持っていない
保育室の環境については、こうです。
子どもが自分で遊びだせるように、子どもの成長に合わせた玩具・絵本・遊具等が、自分で選び手に取れる場所に、適切な量で用意されている
「適切な量で」が入っているのが細かいところです。多すぎても選べなくなる、という話だと思います。
園長・副園長にも評価欄があります
シートには「※園長・副園長のみ」という欄が別に立っています。
保育者の資質向上、保育内容の充実のために計画的に園内研修を実施している
ほかに「管理者としての専門性の向上に努めている」「教育・保育の様子を観察し、保育者と子どもの状況を共有している」といった項目が並びます。
評価されるのは現場だけではないという作りです。自己評価の様式で管理職の欄が別に立っているものは、そう多くない気がします。
書いたあと、どうなるか
ここも様式に書かれています。
記入後は、園長(施設長等)とのヒアリングも実施します
そして施設長側への指示がこうです。
施設長(園長)は、「保育実践振り返りシート」を基に職員と意見交換を行い、保育者のさらなる気付きを促し課題をより明確にしましょう
出して終わりではなく、面談して園内研修につなげるという設計になっています。自己評価が形骸化するのは、たいてい「書いて出したら何も返ってこない」からだと思うので、ここは押さえどころです。
使い方も書いてあります
シートには使い方の提案まで載っていました。
施設(園)で「みんなで話し合ってみたいな」という項目を目次から選んで各自でやってから話し合ってみる。例えば、選んだシートを1回目は黒色で◯を付け、数か月後に2回目の振り返りをして赤色の◯印を付け、年度内に2回行うなど
358項目を全部やる前提ではありません。 話し合いたい項目を選んで、時期をずらして2回つける。色を変えるので、変化が目で見えます。
明日、確かめられること
- 自分の園の自己評価に「取り組めていない」に相当する選択肢があるか。 足立区はA〜Dの4段階で、Dが「取り組めていない」です
- 項目が具体的か。 「子どもを尊重する」で止まっているか、「大きな声で呼ばない」まで書いてあるか
- 書いたあと面談があるか。 足立区は園長とのヒアリングまで様式に書いてあります
- 管理職を評価する欄があるか。 園長・副園長のみの項目が立っているか
- 足立区のシートを見てみる。 PDFで公開されているので、誰でも読めます。自分の園の様式と項目を比べるだけでも発見があると思います
自己評価は、様式の作り方でまるで別物になります。書かされている感じがするなら、様式のほうに理由があるかもしれません。
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