保育室の広さは1人あたり何平方メートル? 年齢で3つに分かれています
配置基準は人数の話ですが、面積にも基準があります。乳児室1.65平方メートル、ほふく室3.3平方メートル、2歳以上は1.98平方メートル。そして認可外だと全年齢1.65平方メートルで、屋外遊戯場も求められません。原典から並べて確かめました。
配置基準の記事では、子ども何人に保育士1人という話を書きました。基準はもうひとつあります。広さです。
「うちの部屋、狭くないか」と感じたことがあるなら、数字で確かめられます。
3つに分かれています
保育所の設備基準は、こうなっています。
| 年齢・用途 | 1人あたりの面積 |
|---|---|
| 乳児室(0・1歳) | 1.65㎡以上 |
| ほふく室(0・1歳) | 3.3㎡以上 |
| 保育室・遊戯室(2歳以上) | 1.98㎡以上 |
| 屋外遊戯場(2歳以上) | 3.3㎡以上 |
資料の書き方はこうです。
○0、1歳児を入所させる保育所:乳児室又はほふく室及び調理室 →乳児室の面積:1.65m2以上/人 ほふく室の面積:3.3m2以上/人
○2歳以上児を入所させる保育所:保育室又は遊戯室及び調理室 →保育室又は遊戯室の面積:1.98m2以上/人
ほふく室と乳児室の違いは、広さです
ほふく室だけ倍近く広いのが目を引きます。はいはいで動く時期なので、動く分の広さが要る、という考え方だと読めます。
なお乳児室とほふく室は「又は」でつながっているので、両方を別々に持つ必要はありません。
畳に直すと、1.65㎡はおよそ1畳、3.3㎡はおよそ2畳です(1畳=1.62㎡で計算)。0歳児9人のほふく室なら29.7㎡、およそ18畳が下限ということになります。
屋外遊戯場は、公園でもかまいません
これは知らない方もいるかもしれません。屋外遊戯場は2歳以上について3.3㎡/人が必要ですが、注記があります。
付近の広場や公園でも代用可
園庭がない園があるのは、これが理由です。基準違反ではありません。
認可外だと、数字が変わります
同じ資料に、認可保育所と認可外保育施設を並べた表があります。ここが一番はっきりします。
| 認可保育所 | 認可外保育施設 | |
|---|---|---|
| 0・1歳 | 乳児室1.65㎡/ほふく室3.3㎡ | 全年齢共通 1.65㎡ |
| 2歳以上 | 保育室・遊戯場1.98㎡ | 同上 |
| 屋外遊戯場 | 3.3㎡(公園代用可) | 求めていない |
○全年齢共通・保育室1.65m2以上/人・調理室、便所
認可外の指導監督基準では、年齢による区別がありません。 そして屋外遊戯場について、資料はこう注記しています。
認可外保育施設については、基準上屋外遊戯場の設置は求めていない
はいはいの時期でも1.65㎡でよく、園庭も不要。同じ「保育施設」でも、求められる広さがかなり違います。
職員のほうも同様で、認可保育所は「配置基準上認められるのは保育士のみ」ですが、認可外は「保育者の3分の1以上が保育士又は看護師」となっています。
認可外が「手を抜いている」わけではありません
ここは誤解しやすいところです。2つは、そもそも役割の違う基準です。
| 認可保育所 | 認可外保育施設 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(省令) | 認可外保育施設指導監督基準(国の通知) |
| 意味 | 認可を受けるための水準 | 行政が指導に入る下限 |
認可の基準は、公費を出す条件とセットになっています。 資料にこう書かれています。
保育サービスの安定的な提供の観点から、保育の実施につき児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を維持するための費用を公費で負担している
1.98㎡などの基準を満たすから、公定価格で運営費が入る、という関係です。
一方の認可外は、届出をすれば開設できます。
児童福祉法第59条の2第1項の規定に基づき、事業開始から1カ月以内に都道府県知事に届出を行わなければならない
そこに行政が立ち入るための物差しが指導監督基準で、これを下回ると指導の対象になる線という位置づけです。放置されているわけではなく、
届出された施設については、都道府県等が原則年1回以上立ち入ることとしており
さらに、認可へ移す方向の支援も用意されています。
設備面で基準を満たしていない施設に対して、認可基準を満たすための改修費等を支援
つまり 「緩い基準で済ませている」のではなく、「公費を受ける水準」と「行政が介入する下限」という別々のものさしが並んでいる、という構造です。
誰がこの基準を決めているか
配置基準の記事と同じ構造がここにもあります。
保育所の基準は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)で区分された「従うべき基準」「参酌すべき基準」に従い、都道府県、指定都市及び中核市が条例により定める
面積は「従うべき基準」なので、下回ることはできません。ただし、
※従うべき基準であっても地方自治体がこれを上回る基準を定めることは可能である
自治体が国より広い基準を持っていることがあります。 一方、屋外遊戯場の設置などは「参酌すべき基準」で、こちらは自治体の裁量が大きい部分です。
明日、確かめられること
- 自分のクラスの部屋の広さと、在籍数をかけ算してみる。 0歳児クラスでほふく室扱いなら1人3.3㎡です
- 自分の自治体の条例を見てみる。 国より広い基準を定めている可能性があります。「(自治体名) 児童福祉施設 設備及び運営に関する基準 条例」で出てきます
- 園庭がないことは基準違反ではないと知っておく。付近の公園で代用できる仕組みです
面積は人数と違って、建物を建てたあとでは動かせません。 だからこそ、園を選ぶときや異動のときに見ておくと、あとで効いてくる情報だと思います。
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