「学童に小4以上の枠」ではありません 国の資料にあるのは別の居場所です
学童に小学4年生以上の専用の枠ができる、という見出しを見かけたかもしれません。こども家庭庁の令和9年度概算要求の資料にあるのは、学童とは別の、高学年向けの放課後の居場所をつくるモデル事業です。予算はまだ決まっていません。いますでにある事業も含めて整理しました。
保育の話ではありません。保育士さん自身の子どもや、卒園した子どもたちが通う学童の話です。
「学童に小4以上の枠」。そんな見出しを、最近見かけたかもしれません。小学4年生になると学童に入れなくなる「小4の壁」が、これで解消されるように読めます。
こども家庭庁の資料を読むと、中身は「学童の中に4年生以上の枠をつくる」ではありませんでした。 学童とは別に、高学年向けの放課後の居場所をつくる、新しいモデル事業です。しかも、まだ予算は決まっていません。
ひとまず、この表だけで足ります
| 資料に書いてあること | |
|---|---|
| 何をつくるのか | 学童(放課後児童クラブ)とは別の、高学年向けの放課後の居場所 |
| 対象 | 小学4〜6年生。とくに学童の待機児童になっている子 |
| 場所 | 小学校や中学校の施設など、いまある施設を使う |
| 人 | 安全確保スタッフを2名以上 |
| 日 | 学校がある平日を想定 |
| どこから | 高学年の待機児童が20人以上出る見込みの市町村を優先 |
| 決まっているか | 令和9年度の概算要求(2億円)の段階。実施は年末の予算案で決まる |
学童とは「異なる居場所」と書かれている
資料の事業名は「小学校高学年を対象にした放課後児童対策モデル事業」です。目的のところに、こう書かれています。
既存の放課後児童健全育成事業とは異なる居場所の多様化を進め、放課後児童クラブの待機児童解消につなげる。
「放課後児童健全育成事業」が、いわゆる学童のことです。つまり、学童の定員を広げるのでも、学童の中に高学年の枠をつくるのでもなく、学童の外に、別の居場所を用意するという形です。
学童には、1つの単位(おおむね40人以下)に職員を2人以上置き、そのうち少なくとも1人は研修を修了した放課後児童支援員にする、という基準があります。このモデル事業で置くのは「安全確保スタッフ(2名以上)」です。学童の基準がゆるくなるという話ではなく、学童とは別の仕組みとして考えられています。
なぜ高学年なのか
資料には理由が書かれています。学童の待機児童のうち、4〜6年生が占める割合が高く、56.7%にのぼります。
資料によると、学童は低学年が優先して使えるように進めてきたため、高学年の待機児童が減りにくくなっています。一方で資料は、高学年の多くは自分で放課後の過ごし方を選べるようになり、塾や習い事など学童以外の受け皿もあるので、低学年とはニーズが違う、とも書いています。だから、学童と同じものではなく、高学年が自分で選んで使える居場所をつくる、という考え方です。
ただ、数字の向こうにいる子どもの姿は、忘れないでおきたいところです。学童は、児童福祉法で、保護者が「労働等により昼間家庭にいない」小学生のための事業とされています。待機児童になった子は、そういう子です。放課後、家に帰っても大人がいません。 そうしたくてそうしている家庭は、ほとんどないはずです。
中身としては、居場所の提供のほかに、地域の企業や大学・高校などと連携して、子どもが主体的に参加できるプログラム(運動、表現、学習など)を行うことも挙がっています。子どもが今どこにいるか分かるように、利用時と帰宅時を管理できる仕組みの導入も勧められています。
まだ決まっていない
これは、こども家庭庁が財務省に出した令和9年度予算の要求です。要求額は2億円。実際に予算がつくかどうか、いくらつくかは、年末に政府の予算案がまとまるまで分かりません。
実施するのは市町村で、費用は国と市町村が半分ずつ。高学年の待機児童が20人以上出る見込みの市町村が優先されます。予算がついたとしても、自分の住む市町村が手を挙げるかどうかは、また別の話です。
いますでにある事業もある
同じ資料に、もう1つ関係する事業が載っています。「放課後居場所緊急対策事業」です。モデル事業には「新規」と付いていますが、こちらには付いていません。
学童に申し込んだのに入れなかった子のために、待機児童が10人以上いる市町村で、児童館や公民館、小学校などに見守りのスタッフを置いて、放課後の居場所を提供する事業です。資料に書かれている条件は、スタッフ1名以上、原則として週3日以上・1日2時間以上。こちらは学年を限っていません。
自分の市町村でこの事業が行われているかどうかは、市町村に聞けば分かります。
明日、確かめられること
- 自分の市町村の、学童の待機児童の数を調べる。 学年別に出している市町村もあります。高学年が多いなら、モデル事業の優先対象になる可能性があります
- 学童に入れなかったときの居場所を、市町村に聞いてみる。 「放課後居場所緊急対策事業」のような見守りの居場所があるかもしれません
- 小3の子がいるなら、来年度の学童の申し込みで、4年生がどう扱われるかを早めに確かめる
- 夏休みのことは別に考えておく。 モデル事業は「学校が行われている平日を想定」と書かれています
この記事はいかがでしたか?
もう少し詳しく伝えたいことがあればご意見・お問い合わせからどうぞ。 いただいた内容は公開されません。